- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
1日に与えるべきドッグフードの量は決まってる?
基本的に成犬の場合、1日に2回を目安にドッグフードを与えるようにしましょう。
犬の場合は年齢によって食事の回数を増やしたり減らしたりすることはよくあります。
例えば子犬の時は1回に摂取できる食事の量が少ないため、1日4回程度に分けてフードを与えることもありますし、老犬になると食が細くなっていくことが多いため同じように1日4~5回程度に分けてフードを与えた方が良いと言われています。
また、フードの量についてはドッグフードのパッケージ裏側に記載されている体重ごとの給餌量表を参考にしましょう。
ただしフードのパッケージ裏に記載されている分量はあくまで『1日分』の目安量なので、1回につきその半分の量を与える必要があります。
必要なフードの量には差がある
いくつかの基準によって、必要量は決まり、その量は以下のような差があります。
- ①体型
- ②避妊手術をしたか否か
- ③犬種
- ④運動量
①体型
ドッグフードのパッケージに記載されている給餌量は、あくまで標準体重の犬に向けた目分量です。
そのため、痩せ気味であったり肥満気味であったりする犬へはあてはまらないので注意しましょう。
例えば痩せ気味、もしくは肥満気味の犬にその体重に合った分量のフードを与えていると、いつまでたっても体型が改善されない可能性があります。
②避妊したかどうか
基本的に、避妊・去勢手術後はドッグフードの量を減らした方が良いでしょう。
避妊・去勢手術をすることでそれまで生殖活動に費やしてきたエネルギーが不要になり食欲へと転化されるため、肥満になりやすい傾向にあるからです。
また、特にオス犬の場合は男性ホルモンの分泌量が減少するため、本来筋肉となるはずだった栄養分が脂肪へと行きやすくなり、メス犬以上に肥満になる可能性が高いので注意が必要と言えます。
③犬種
犬の場合、犬種によって1日に必要なエネルギー量や給餌量が異なります。
例えば小型犬のチワワの場合、1日に必要なエネルギー量はおよそ100kcal、給餌量は29gであるのに対して、大型犬であるボクサーに必要な1日分のエネルギー量はおよそ2,284kcal、給餌量だと666gと考えられています(1kgあたり3,430kcalのドライフード換算)。
ちなみに基本的には必要なエネルギー量は体重当たりの体表面積に比例すると考えられていますが、小型犬の場合は体重と比べて必要なエネルギー量が多い傾向にあるようです。
④普段の運動量
運動量が多い犬と少ない犬では適切な食事量が異なります。
例えば日頃からよくお散歩する犬やドッグランで思いっきり走ることが多い犬の場合、運動量が多い分消費カロリーも増えるため通常よりも少し多めにドッグフードを与えても問題ないようです。
しかし一方で、室内飼いや日頃から運動することが少ない犬の場合、消費カロリーも比較的少ないためドッグフードを多めに与えてしまうと肥満になる可能性があります。
ドッグフードの与える量に関する質問
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
トイプードル | 6歳 | 愛犬元気 |
我が家には6歳になるトイプードルがいるのですが、食いしん坊な子なので、与えた分だけすぐに平らげてしまいます。 そのせいか、まだ肥満というわけではありませんか、すこし肉つきが良くなってきたようにも思えます。今は自分たちの食事のタイミングに合わせて1日3回ドッグフードを与えているのですが、多すぎるでしょうか?ちなみに室内で飼っていて、去勢手術もしてあります。お散歩嫌いなので、基本的には1日2回、5~10分程度家の周りをぐるぐる回る程度しか運動していません。そういったことも踏まえて、1日に与えるドッグフードの量や回数の目安を教えて下さると助かります。