ドッグフードの選び方

【獣医師監修】安心安全なドッグフードの見分け方

更新日:

安心安全で良質なドッグフードを選ぶ

今回のユーザー調査で、ドッグフードによって「選ぶ基準」に大きく3つの傾向があることがわかりました。

それは、価格重視で選ぶ獣医さんやブリーダーさんに進められたものを選ぶ原材料や添加物などの品質、安全性で選ぶというものでした。また、選んでいるドッグフードによって、飼い主さんの「原材料の安全性」についての知識に差があることも読み取れました。

飼い主さんのドッグフード選びの傾向

わんわんイズムでは、大切な家族の一員である愛犬には、健康に配慮した安心安全で良質なドッグフードをおすすめします。
私たちがコンビニやスーパーでお惣菜やお弁当を買うとき、特に小さなお子さまのために買うときなどは、どこ産のどんな材料で作られているか、添加物は入っているのかなど気になりませんか?ワンちゃんも同じです。

そのドッグフードが何からできているのかを知ることはとても大切なことだと思っています。そこで獣医師の先生に品質の良いドッグフードの見分け方のコツを伺いました。

ドッグフードの原材料で見るべき3大要素=「肉」「穀物」「添加物」

ドッグフードは数えきれないほどのブランドがあり、パッケージにはどれも良さそうなことばかり書いてあります。

値段もピンからキリまであるので「一体どれを選んだらいいのか分からない!」とお悩みの飼い主さんも多いですよね。

品質の良いドッグフードを見分けるには、ドッグフードのパッケージ裏面にある原材料の欄をチェックすることが一番有効な手段です。なかでも、原材料として使用されている、「肉」「穀物」「添加物」に注意して見てみましょう!

原材料欄を見てみよう!
どこのメーカーのドッグフードも、原材料欄には基本的に使用している全ての材料を表示しています。これはペットフード安全法という法律で決められているからです。また人間用の食品と同様で、ドッグフードも原材料に占める重量の割合が多い順に記載してあります。

これは公正取引委員会の「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で表示方法が決まっているからです。

「肉」のこと

まず、ドッグフードに使用されている肉について深く掘り下げてお伝えします。

犬は雑食動物ですが、肉は体を構成するうえで重要な栄養源と言っても過言ではありません。

ドッグフードにはさまざまな種類の動物の肉が使われていますが、品質の高さや使用する部位、調理の仕方によっては、犬の体に悪影響を及ぼす可能性もあるのです。

原材料欄をチェックすることで、どんな肉が使われているのかをある程度把握することができますので、愛犬のドッグフードを選ぶ際にはぜひチェックしてみましょう。

肉の種類が明記されているのが理想的!
肉は筋肉や皮膚・被毛をつくるうえで重要なタンパク源です。必要とするタンパク量は食餌全体の25%程度です。しかしドッグフードに含まれるタンパク質全てを有効利用できるわけではありません。消化吸収される栄養素が少しでも多いこと、肉の種類がしっかり明記されているものが理想です。


一方でこんな落とし穴も!
肉の種類が書いてあっても、残念ながら必ずしも良いドッグフードと言い切れないのです。

どのような肉が使用されているのかが重要です。タンパク質の割合が25%であってもこの内どれだけが身につくかが大切です。そのため、どのようなタンパク源が使用されているかをしっかりチェックする必要があります。

ドッグフードに使用されている肉とは?

ドッグフードにお肉がたっぷり入っていればそれで良いというわけではなく、やはりどんな肉が使われているかが重要です。

ドッグフードの原材料欄を見ると「家禽ミール」や「ラムミール」といった表記がよくありますが、具体的にどんなものなのか分からない方も多いと思います。

他にもドッグフードに入っている肉類にはさまざまなものがありますので、詳しく見ていきましょう。

「ミール」って何?

生の肉には水分が多く含まれていますよね。
そのままドライフードに加工しようとすると、粒状に固めにくかったりカビなどの雑菌が繁殖しやすくなったりします。

そのため、肉や魚を乾燥させて粉状に加工してから混ぜ合わせていて、これがミールの正体なのです。

ミールにすることでたんぱく質が凝縮するため、少ない量でも効率よく栄養補給できるというメリットもあります。

要注意!メーカーによってミールの内容が違う!
メーカーによっては、食べられる部分の肉だけでなく、骨や内臓など本来は捨ててしまう肉の副産物を一緒に混ぜて粉状にしているところもあるのです。

また、すでに死んでいたり病気にかかっていたりする動物の肉をミールに使っているケースもあります。

なぜそんな粗悪なものを使うのかというと、ズバリ原材料費を出来るだけ抑えるためです。

原材料欄に記載されている「〇〇ミール」がすべて粗悪なものとは限りませんが、粗悪な肉を使用している可能性が高いので、出来ればドッグフードの値段が安く、ミールが入っているドッグフードは避けた方が無難でしょう。

何の肉を使用しているのか、はっきり表示しているものを選ぼう!
「〇〇ミール」の他にも「肉類」「家禽肉」など具体的に表記していないドッグフードもありますが、これらもあまり好ましくありません。

「ラム肉」「チキン」などと言ったようにはっきり記載していれば、ごまかしようがないので良いドッグフードと言えます。

メーカーによっては「骨抜きチキン生肉35%」というように、さらに具体的に記載しているところもあります。

こうした表記であれば、食べられる部分だけを生のまま使用していることがよく分かりますよね。

原材料の欄に詳しい情報を記入するというのは、それだけ食材の品質に自信を持っているという証でもありますので、出来るだけ原材料が詳しく書いてあるドッグフードを選びましょう。

「副産物」にも注意!

肉の副産物とは、食べられる部分の肉をのぞいた骨や内臓、血液や皮などのことです。

基本的には肉の副産物は捨ててしまう部分なので、ドッグフードに使用するのはあまり好ましくありません。

ただし、中には栄養補給のためにあえて使用しているフードもあります。

例えば、牛や羊など反すう動物の胃袋には、プロバイオティクスや消化酵素、ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富に含まれています。

他にも動物の血には鉄分やミネラル、骨にはカルシウムやグルコサミン、コンドロイチンと言ったように、犬の健康維持に欠かせない成分が入っているのです。

もちろん犬の体に良い効果をもたらすには、使用する家畜の品質が高くなければいけません。

成長ホルモンや抗生物質などを使用せずに、安全性の高い環境で飼育された家畜の新鮮な内臓や血液、骨であることが大前提です。

そして消化酵素やビタミン、プロバイオティクスは熱に弱いので、調理は低温でじっくり時間をかけて行わなければいけません。
ドッグフードに肉の副産物を活用するなら、ここまでこだわって作られたものでなければいけないのです。

こうした情報は原材料欄を見ただけでは把握しきれないので、メーカーのホームページをチェックすると良いでしょう。

複数の肉を使用しているドッグフードの注意点とは?

ドッグフードには、鶏肉やサーモンなど複数の動物や魚の肉が使用されていることがあります。

こうしたドッグフードを愛犬に食べさせる場合は、アレルギーの発生に注意が必要です。

1種類であれば原因を特定しやすいのですが、複数の動物が混ざっていると原因が分かりにくくなってしまうからです。

また、肉の種類によってアレルギーを起こしやすいものとそうでないものがあります。

一般的に、牛肉や豚肉はアレルギーリスクが高く、ラム肉や鹿肉、魚肉はアレルギーリスクが低いと言われています。

元々敏感な体質のワンちゃんには、アレルギーリスクが低い肉が入っているドッグフードを選んだ方が良いでしょう。

「穀物」のこと

次に穀物に関する知識を掘り下げていきたいと思います。

市販されているドッグフードには、さまざまな種類の穀物が使われています。

穀物は人間にとっては主食なので、犬にも必要と思う方も多いかもしれませんが、実はそうとは言いきれません。

穀物の種類によっては、アレルギーを引き起こすなど犬の健康を害する可能性もあるのです。

ここでは、穀物の種類と犬の健康への影響についてお伝えしながら、最も犬にとって理想的なドッグフードの選び方を分かりやすくまとめます。

ドッグフードに入っている穀物にはどんなものがあるの?

穀物とはでんぷんを多く含む種子のことで、主食として用いられることが多いです。

大きく分けると、米や小麦などのイネ科と、大豆などのマメ科、キヌアなどの雑穀の3種類に分けられます。

具体的にどんな種類があるのか見ていきましょう。

麦類 小麦や大麦、ライ麦、オーツ麦などの麦類もドッグフードによく使われる食材ですが、麦類にはグルテンが含まれています。
犬がグルテンを摂取するとアレルギーを引き起こしやすく、下痢や軟便、腸内の炎症などの症状が出る可能性もあります。麦類の中でもグルテンの含有量には少しずつ違いがあり、最も多いのは白く精製した小麦です。
グルテンは胚乳の部分に含まれているので、皮や胚芽などを含む全粒小麦であれば、白い小麦よりもグルテンの含有量が少なくなります。
大麦やライ麦、オーツ麦については、厳密にいうとグルテンと同類の成分を含んでいるに過ぎず、グルテンを生成していないという見方もあります。
いずれも食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれていますので、小麦に比べると犬の健康に悪影響を及ぼしにくいと見られています。
とはいえ、グルテンアレルギーや小麦アレルギーを持っているワンちゃんが摂取すると、症状が悪化する恐れもありますので注意が必要です。
米類 ドッグフードの原材料として使われているのは、主に白米や玄米、ブリューワーズライスなどです。ブリューワーズライスは醸造米のことで、穀物の中でも消化吸収に優れています。

白米も比較的消化しやすい食材ですが、玄米は胚芽や皮がついているのでそのままだと消化不良を起こす可能性があります。そのためドッグフードには、細かく砕いたり消化吸収率を高めるアルファ化の加工をしたりしてから混ぜられることが多いです。

米はグルテンフリーなので犬に食べさせても、比較的アレルギーを起こしにくいと言われています。

ただしドッグフードに使われている米は、人間が食べるものより質が悪いものを使っているケースも多いのが現状です。

米の割合が多すぎると肥満や消化不良の原因にもなるため、必ずしも必要な食材とは言えません。
とうもろこし類 とうもろこしもドッグフードによく使われている食材ですが、犬にとってはあまり好ましいとは言えません。とうもろこしの粒は薄皮に包まれていて繊維質が多いですよね。

これを犬が食べると消化不良を起こしてしまう可能性があり、続けて摂取するとアレルギーを引き起こす恐れもあります。炭水化物の割合も多いので肥満の原因にもなりやすいです。

犬にとって好ましくないとうもろこしがなぜドッグフードに入っているのかというと、原料費が安く済むからです。ドッグフードの原材料欄にとうもろこしという記載がなかったとしても「コーンミール」や「コーンフラワー」「コーングルテン」などというように、別な表記の仕方をしていることも多いので、しっかりチェックするようにしましょう。
豆類 ドッグフードにはいろいろな種類の豆類が使われていますが、犬にとってあまり好ましくないのが大豆です。特に生の大豆には、トリプシン・インヒビターという物質がたくさん含まれていて、大量に摂取すると消化不良を起こして下痢になったり、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状を起こしやすくなったりします。

トリプシン・インヒビターの毒素を消すには長時間加熱処理をしたり、納豆のように発酵させたりする必要がありますが、ドッグフードに使用されているのは、細かく砕いたものや豆腐を作った後に出来るおからの状態なので、アレルギーのリスクは消えていないと思われます。

なぜ危険性があるにも関わらず、大豆がドッグフードに使用されているかというと、これもやはりカサ増しをして原材料のコストを安く抑えるのが主な目的です。

原材料欄を見て大豆が使用されている場合は、なるべく避けておいた方が安心です。

穀物を使用していないグレインフリーフードが注目されていますが・・・

ここまで一部の穀物は犬の体に悪影響を与える可能性があるということをお伝えしました。

穀物は必要最低限という考え方は多くの愛犬家の間ですでに常識となっていて、穀物を使用していないグレインフリーのドッグフードに注目が集まっています。
ただし、ドッグフードにおける穀物の使用に関しては日々研究、検証されていて、「グレインフリーだから良い」とは言えません。むしろ良質な適量の穀物は必要であるという研究結果も発表されています。


グレインフリーフードの特徴は、カサ増しのための穀物を使用していない分、肉類の配合量が多いことと、アレルギーを発症するリスクが少ないことです。

ワンちゃんにとっては、お肉がたっぷり入ったドッグフードの方が断然美味しいので食いつきが良くなりますし、動物性たんぱく質の含有量が多いため、引き締まった筋肉や丈夫な骨を保つことができます。

とはいえエネルギー源として、ある程度の炭水化物は必要です。

そこでグレインフリーのドッグフードには、穀物の代わりにジャガイモやサツマイモなどのイモ類を使用しているものが多くあります。

そして、中にはグレインフリーなのに穀物が使われているドッグフードもあるのです。
グレインフリーのドッグフードに入っている穀物とは?
穀物不使用と言っておきながら、穀物が入っているというのは矛盾していると感じる方が多いと思いますが、そもそも穀物の定義はあいまいです。


国によっても穀物の定義が異なりますので、外国産のドッグフードには穀物の一種が使用されていても珍しくないのです。
グレインフリーのドッグフードに使用されることが多い穀物は、主に豆類や雑穀です。

日本ではひよこ豆の愛称で知られるガルバンゾーや、レンズ豆はグレインフリーのドッグフードに頻繁に使われています。
栄養価が高く消化吸収に優れていますので犬の健康維持に役立ちますし、アレルギーの心配が少ないと言われています。

雑穀の一種であるキヌアは必須アミノ酸を豊富に含んでいますし、グレインソルガムは強い抗酸化作用があるため、老化防止に役立ちます。
キヌアもグレインソルガムも、グルテンが含まれていないのでアレルギーを起こす心配は少ないと言われています。

結局穀物は犬にとって必要?不必要?

ここまでの説明を見て「結局穀物は犬の体に良いの?悪いの?」という混乱してしまった方も多いと思います。

その答えを短くまとめると「穀物は必ずしも悪いとは言い切れないが、中には避けた方が良いものもある」ということになります。
特に避けた方が良い穀物は、とうもろこしと小麦、大豆の3つです。

ドッグフードだけでなく、手作り食やおやつについても、この3つの穀物は避けておきましょう。

他の穀物に関してはそこまで神経質になる必要はありませんが、ドッグフードに含まれている量はチェックしておきましょう。

ワンちゃんは雑食動物ですので、炭水化物も必要としていますが本来はある程度消化分解された炭水化物源を食べていたので、炭水化物を一から消化することは苦手としています。

また、とうもろこし・小麦・大豆に対してのアレルギーを持つワンちゃんが増えてきていますので原材料をチェックして確認するようにしましょう。

中にはグレインフリーのドッグフードでも、芋類や豆類の割合が多い商品もありますので「グレインフリーだから大丈夫」と安易に決めつけてはいけません。

ドッグフードの原材料欄やメーカーのホームページをチェックして、穀物がどのくらい入っているかを確認するようにしましょう。

「添加物」のこと

ペットショップやスーパーなどで市販されているドッグフードの多くには、添加物が使用されています。

ドッグフードの原材料欄に見慣れない名前の成分が記載されていたら、それは添加物の可能性があります。

添加物と聞くと「犬の体に悪影響があるのでは?」となんとなく悪いイメージを持つ方も多いと思いますが、実際にどんな影響があるかについてはあまり良く分からないですよね?

しかも添加物は原材料欄の後ろの方に書いてあるため、少ししか入っていないように見えます。

しかし、添加物の中には発がん性物質を含むものもありますので、実はたとえ少量だとしても毎日食べ続けるのは危険なのです。
ここでは、ドッグフードに使用されている添加物の種類や効果、犬の体にどんな影響を及ぼすかについてじっくり掘り下げながら、愛犬の健康をサポートできる理想的なドッグフードの選び方をご紹介します。

ドッグフードに含まれている添加物はどんなもの?

ドッグフードに使用される添加物は大きく3つの種類に分けられます。

まずは、品質の劣化を防ぎ出来るだけ長く美味しい状態をキープするための酸化防止剤や保湿剤です。

そして、ドッグフードの味や見た目を良くするための添加物として、香料や着色料、調味料などを使用します。

さらに、総合栄養食として栄養バランスを満たすための添加物として、ビタミンやミネラルなどのサプリメントを使用しています。

品質を保持するための添加物の成分とは?

品質の劣化を防ぐ添加物は、人工的に合成したタイプと天然素材を使ったタイプの2種類に分かれます。

合成添加物には、BHTやBHA、エトキシンといった酸化防止剤、そして保湿剤や防カビ剤として用いられるプロピレングリコールなどがあります。

一方、天然素材を使った酸化防止剤にはミックストコフェノール、アスコルビン酸、クエン酸、カテキンなどがあります。
合成添加物

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン) BHTは値段が安いので、繊維加工剤や接着剤などに広く使われています。
以前は、マーガリンや魚介の冷凍品、チューインガムなどの食品にも使われていましたが、毒性が強く発がん性が指摘されたことから、人間用の食品には使われなくなりました。

ドッグフードについてもBHTを使っているものはかなり少なくなりましたが、使用が禁止されているわけではないので、いまだに使用されている商品もあります。
BHA(ブチルヒドロキシアニソール) もともとはガソリンの酸化防止剤として作られた物質でBHTよりも安全だと言われたことから人間用の食品にも広く使用されていました。

しかしこちらも発がん性が指摘されたため、現在は食品への使用が制限されています。

ドッグフードについては、使用量の制限はあるものの完全に禁止しているわけではないので、いまだに一部の商品に使われています。
エトキシキン もともとはゴムを固定するための薬剤として作られた物質で、除草剤として使われるなど非常に毒性が強いのが特徴です。

こちらも発がん性が指摘されているものの、ドッグフードへの使用は完全に禁止されておらず、決められた使用量を守れば使用できることになっています。
プロピレングリコール こちらは、半生タイプのドッグフードによく使用されている物質で、乾燥を防ぎカビの発生を防止できることから、人間用の食品にも使われています。

しかし、プロピレングリコールは発がん性や赤血球にダメージを与える可能性が指摘されているため、猫用のフードには使用が禁止されています。

このように合成の添加物は非常に恐ろしい成分だということがよく分かると思います。

現状としては使用禁止になっていないものの、愛犬の体には取り込むべきではありませんので、飼い主さんがしっかりと見極めてこれらの合成添加物が入ったドッグフードは避ける必要があります。

天然由来添加物
ミックストコフェノール こちらは聞きなれない名前ですが、ビタミンEのことです。

植物性オイルから採取されているため、犬の体にも安全な成分です。
アスコルビン酸 アスコルビン酸はビタミンCのことで、お茶やジュースなど人間用の食品にも使われています。

こちらは、とうもろこしやジャガイモなどのでんぷんを化学的に合成して、ぶどう糖などに変換して生成します。
クエン酸 クエン酸はレモンや梅などに含まれる酸味成分で、人間用の食品の㏗調整剤としても用いられています。
ローズマリー抽出物 ハーブの一種であるローズマリーには抗酸化作用があるため、ドッグフードに含まれる動物性油脂の酸化を防ぐことができます。
カテキン ハーブの一種であるローズマリーには抗酸化作用があるため、ドッグフードに含まれる動物性油脂の酸化を防ぐことができます。カテキンは緑茶に多く含まれているポリフェノールで、渋味や苦味のもとになる成分です。

抗酸化作用や殺菌作用があるため、ドッグフードにもよく使われています。

天然素材の酸化防止剤は犬の体への害が少なく安全性が高いことが分かります。
しかし、残念ながら合成の酸化防止剤に比べると、効果が短いというデメリットがあります。

ドッグフードに含まれる油分が酸化すると犬の体に悪影響を与えますので、天然の酸化防止剤だから安全とは必ずしも言い切れないのです。

ドッグフードの酸化を防ぐには、開封後に出来るだけ早く消費したり、空気に触れないように保存したりといった工夫が必要です。

味や見た目を良くするための添加物とはどんなもの?

ワンちゃんの食いつきを良くするためや、ドッグフードの色を鮮やかにして美味しそうに見せるために、さまざまな添加物が使われています。

食いつきを良くする添加物
ワンちゃんは美味しそうな香りがすると食いつきが良くなりますので、チキンフレーバーやチーズフレーバーなどの香料や風味料が使われています。

他にも、塩や砂糖、チキンエキスといった調味料が添加されることもありますが、塩分や糖分は摂り過ぎると健康を害する可能性があります。

そもそもドッグフードに使用している原材料が新鮮で高品質であれば、香料や調味料を添加しなくても十分食いつきが良くなるはずです。

つまり、添加物が必要ということは原材料の質が低い可能性があることを意味しているのです。

ドッグフードの見た目を良くする添加物
一部のドライフードや缶詰のウェットフード、犬のおやつなどには、見た目を鮮やかに見せるための着色料や発色剤が使用されています。

原材料欄には、着色料は赤色1号や赤色106号などと表記され、発色剤は亜硝酸ナトリウムや亜硝酸塩と書かれています。
亜硝酸ナトリウムや亜硝酸塩は人間用のハムやソーセージなどにも使われていますが、毒性が強く継続的に摂取すると発がん性の危険もあります。

見た目を良く見せるための添加物は犬にとっては全く必要なものではなく、むしろ病気のリスクを高める可能性の方が大きいので避けた方が良いでしょう。

栄養バランスの満たすためのサプリメントってどんなもの?

ドッグフードは総合栄養食なので、栄養バランスを完璧に満たさなければいけません。

食材が持っている栄養素だけでは必要な栄養素を満たせないため、合成のビタミンやミネラルなどのサプリメントを添加しています。

しかし、本来は食材が持っている栄養素から補給するのが理想的です。

多くのドッグフードは短時間に高温で調理しているため、食材本来の栄養素が損なわれてしまいますが、低温でゆっくり時間をかけて調理すれば、ビタミンや酵素などを生きたまま配合することもできるのです。

また、生産段階から農薬や化学肥料を使わずに育てたオーガニック食材であれば、含まれる栄養価もぐんとアップします。

オーガニック食材をふんだんに使用したドッグフードや、低温調理で栄養価を損なわずにキープしているドッグフードもありますので、出来るだけ合成のサプリメントに頼らないものを選ぶと良いでしょう。

まとめ

ワンちゃんにとって最も理想的なドッグフードは、オーガニック食材など人間が食べられるほど高品質な原材料を使用し、良質なタンパク源を主原料としたもので、さらに、アレルギーや消化リスクのある原材料や合成添加物を使用していないフードとなります。

動物病院で推奨している有名なブランドのドッグフードだとしても、原材料欄を見ると添加物が使用されていることが多いのが現状です。「獣医さんが勧めているから安全なドッグフードに違いない」と安易に決めつけず、使用している原材料について納得のいくまで相談してみてください。

最近は良質な原材料を使用し、製造過程にもこだわった安全性の高いフードの種類も増えています。体型やライフステージによるラインナップや主要なタンパク質の種類もいろいろと選ぶことができます。是非この機会に愛犬の体質にあったフードを見つけてください。

-ドッグフードの選び方