- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
犬の下痢の主な原因
- ①ストレス
- ②食べ過ぎ
- ③与えてはいけないものを食べてしまった
- ④病気の影響
①ストレス
犬はストレスが原因で下痢をしてしまうことがあります。
例えば一緒に暮らしはじめた時や引越しで住居が変わった時、ペットホテルに預けられた時や旅行の時などの環境の変化は、犬にストレスを与えてしまいやすいそうです。
また、犬の場合飼い主に怒鳴られたり叱られたりすることが多かったり、構ってもらえない時間が長かったりしてもストレスを感じ、神経性の下痢を起こすことがあります。
一時的な環境変化であれば元に戻してあげることで下痢も改善されるでしょうが、特に性格上神経質な犬やデリケートな犬などは些細なことでもストレスに感じてしまいやすいため、なるべくストレスを与えないように気を付けた方が良いでしょう。
②食べ過ぎ
犬も人間と同じように、食べ過ぎが原因で下痢をすることが多いそうです。
しかし犬の場合、単なる食べ過ぎだけでなく、脂肪分が多い食事や水分の摂りすぎが原因で下痢を起こすこともあります。
例えば肉や魚の煮汁や水分量が多い野菜を与えすぎてしまうことも、犬の下痢の原因となるそうです。
また、犬はもともと与えられた食事をほとんど丸飲みしてしまう習性があるのですが、大量の食事を一気に丸飲みしてしまうことで胃腸に負担がかかり、下痢を起こすことも珍しくはありません。
③与えてはいけない食べ物を与えてしまった時
人間が普段から何気なく食べている食材の中には、犬の体に毒なものもあります。
例えば玉ねぎやニラ、ネギ、チョコレート、レモン、グレープフルーツなどは犬が摂取すると下痢を起こす可能性が高い食材となります。
特に玉ねぎやチョコレート、アボカドなどは犬の体に毒と言われており、下痢を起こすならまだしも最悪の場合命を落とす危険性もあるそうです。
また、食物アレルギーの犬にアレルゲンとなる食材を与えたり、それが配合されているドッグフードを与えてしまうと下痢や嘔吐につながることが多いと言われています。
④病気の影響も?
犬の場合、病気が原因で下痢を起こしている可能性もあります。
例えば胃や大腸、膵臓といった内臓に腫瘍ができていると下痢が続くことがあるそうです。
また、大腸菌やサルモネラ菌などの細菌感染や、犬パルボウイルス感染症、コロナウイルス感染症、犬ジステンパーウイルス感染症といったウイルス感染が原因で下痢を起こすことも多いと言われています。
そのほか、回虫や条虫、鞭虫などの寄生虫に感染することで下痢を起こすこともあるそうです。
下痢に悩む犬のドッグフード選びのポイント
- ①無添加フード
- ②脂質少なめのフード
- ③穀物には要注意
①無添加のフードを選ぼう
ドッグフードに含まれていることが多い添加物のなかには、人間用の食事には決して使われないような危険性が高いものもいくつか存在します。
例えばエトキシキンやBHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は保存料や酸化防止剤としてドッグフードに使われることが多い合成添加物ですが、発がん性があるほか長期間摂取するとじんましんやアレルギーを起こすと言われています。
特にもともとお腹の弱い犬やアレルギーを持っている犬は添加物が原因で下痢をしやすいため、できるだけ無添加のドッグフードを与えるようにしましょう。
②脂質少なめのフードを選ぶ
先ほども紹介したように、犬は脂肪分の摂りすぎが原因で下痢を起こすことがあります。
実際に脂質の割合が多いドッグフードは犬のお腹を緩くしたり下痢を引き起こしたりする可能性が高いそうです。
そのため、下痢に悩む犬には脂質が少なめのドッグフードを選ぶようにしましょう。基本的には、成犬の場合『体重×1.1g』が脂質の必要摂取量となります。
③穀物に注意!
もともと肉食動物である犬の場合、肉類・魚類といった動物性タンパク質の消化は問題ありませんが、穀物の消化には適していないと言われています。
実際に犬の唾液には炭水化物を分解する酵素である「アミラーゼ」が含まれていないので、穀物をうまく消化できないそうです。
しかしドッグフードの中にはトウモロコシや小麦、米などの穀物を第一主原料として配合しているものもあります。
こういった穀物メインのフードはヘルシーに見えるかもしれませんが、犬の胃腸に負担がかかりやすく下痢を引き起こすリスクが高いため、下痢に悩む犬にはおすすめできません。
お腹を壊しがちなミニチュアダックスフンドの悩み
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
ミニチュアダックスフンド | 3歳 | ニュートロ |
普段はいいのですが、病院に連れて行ったり、来客が続いたときは、ストレスでお腹を壊して下痢をしてしまいます。一度ストレスで大腸炎になってしまい、とても大変でした。
犬用の乳酸菌サプリメントを使ったり、ドックフードをふやかしたりして対処はしているのですが、できればお腹に優しいドックフードを与えたいと思います。
また、痩せやすく太りにくい体質なので、栄養面もしっかりしているドックフードが理想です。体に良くて、消化しやすいドックフードがあったらいいと思っています。
お腹の弱い子でも、安心して食べられるドックフードを教えてほしいです。(26歳・アルルえさん)