- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
犬の便秘の原因になる食事とは?
①穀物を多く含むドッグフード
穀物などの炭水化物を多く含むドッグフードを与えていると、便秘になる犬も少なくはありません。と言いますのも、もともと肉食動物である犬にとって炭水化物源となる穀物類は消化が難しい食材なので、多く与えてしまうと消化不良を引き起こし下痢の原因となることがあります。
基本的には少量の穀物なら問題ないと考えられていますが、今まで一度も穀物を摂取したことがない犬に突然穀物を与えると消化不良を起こしやすくなるので注意が必要です。
②おやつの与えすぎ
犬におやつを与えすぎてしまうと便秘になることがあります。
そもそも犬のおやつとしてメジャーなジャーキーやビスケットなどでは犬が1日に必要な栄養分は補うことができません。そのためおやつばかり好んで食べるようになると、毎日の食生活が偏り便秘を引き起こす恐れがあります。
③添加物を多く含むドッグフード
人工添加物が多く含まれているドッグフードが原因で犬が便秘になることもあります。
実際に添加物が多く配合されているドッグフードを犬が摂取すると胃腸に負担がかかりやすく、結果的に腸の働きを弱めてしまい便秘や下痢といったトラブルを起こしやすいと考えられています。
便秘の犬にはこんなドッグフードがおすすめ!
①食物繊維を多く含むドッグフード
便秘のワンちゃんには食物繊維が含まれているドッグフードを与えてみると良いでしょう。食物繊維は基本的に人間と同じように犬の便秘解消にも効果的な成分ですが、種類によって特徴や効果が異なるので注意しましょう。
水溶性食物繊維(ペクチン)
人間用の食用ジャムの増粘剤として使われるペクチンは天然のゲル化剤です。このペクチンは水溶性の食物繊維として腸内環境の改善に効果的と言われ、コレステロール低下作用があるともいわれています。りんご等の果物のほか、大根やキャベツ等の野菜にも含まれています。
市販のドッグフードの中にもペクチンの含有量が多いりんごやクランベリーといった原材料を使っているものがあります。
不溶性食物繊維
不溶性の食物繊維は、その字のごとく”溶けにくい”食物繊維で胃腸内の水分を吸収する働きがあります。腸内で水分を吸収して膨らむことで、腸のせんどう運動を促して便意を促すといった効果が期待できます。しかし腸内に便が少なければかえって便を硬くし過ぎてしまい便秘になることもあるので、犬に多量に与えることは注意したいですね。原材料では、主に芋類などが不溶性食物繊維に該当します。
市販のドッグフードにもサツマイモやじゃがいもを原材料として使っているものがあります。適切な量が配合されていれば効果が期待できるでしょう。
②無添加フード
添加物が多く含まれているドッグフードを摂取し続けると、便秘になってしまうワンちゃんはかなり多いと言われています。そのためもし現在与えているドッグフードに添加物が含まれているようなら、無添加のものに切り替えてみてください。
添加物のなかには消化不良だけでなく、犬にアレルギーやそのほかの体調不良を引き起こす恐れもある危険な成分もあるので、極力避けた方が良いでしょう。
その他の便秘の食生活対策
①水分をしっかり取らせる
日頃から水分摂取量が少ないと腸内の水分も減少するため、便が硬くなり便秘になることもあります。
一般的に犬の場合「体重(g)×0.05~0.07」が1日に必要な水分量(ml)となりますが、もしワンちゃんがあまり水を飲みたがらない場合は、リンゴやキュウリといった水分を多く含む食材を与えてみても良いでしょう。
また、ドッグフードをドライタイプからウェットタイプに切り替えてみるだけでも便秘解消に効果があると言われています。
②便秘に効く食べ物を適量与える
芋類
芋類は不溶性食物繊維を含んでいますので、腸のせんどう活動を促して排泄をしやすくする効果が期待できます。じゃがいもやサツマイモを原材料として使っているドッグフードもあります。
また、特にサツマイモは適度な甘さがあるので、味付けせずに皮ごと蒸したものをおやつにしても良いですし、トッピングとしてドッグフードに添えてあげるのもおすすめです。
プレーンヨーグルト
ビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖などを含むヨーグルトは犬の便秘解消にも効果的です。実際にワンちゃんに与える際は、無糖のプレーンヨーグルトを少量ずつ、多くてもスプーン1杯程度与えるようにしましょう。
また、ワンちゃんの中にはヨーグルトに含まれてる「乳糖」を分解しきれずに下痢をしてしまう子もいるので、様子を見ながら与えるようにしてください。
オリーブオイル
オリーブオイルの主成分である「オレイン酸」は大腸に届くと腸の蠕動運動を促すため、便秘に効果があると考えられています。また、オリーブオイルには油分も含まれているため、オイルが便をコーティングし、潤滑油として便の排泄をスムースにさせる効果も期待できるそうです。
ちなみに便秘対策として犬にオリーブオイルを与える際は、少量を舐めさせる程度でOKです。基本的には1日1回、ティースプーン1杯程度を目安に与えてみてください。
キャベツ
キャベツには食物繊維が多く含まれているほか、腸の働きを活性化する働きがあるビタミンUも含まれているため便秘に効果があると考えられています。
しかしキャベツは与えすぎてしまうと甲状腺腫や甲状腺肥大といった病気を引き起こす危険もあるため、与えすぎには注意が必要です。
また、基本的にはキャベツは生のままだと消化しにくいため、刻んで蒸したり茹でたりしておいた方が良いですが、犬によっては生のキャベツの方が良く食べることもあります。その場合は健康状態に異常が無ければ生のまま与えても問題ないようです。
リンゴ
リンゴは整腸作用と排便効果が期待できる便秘解消には最適な食材です。
実際にリンゴに含まれているペクチンは腸内の善玉菌を増やす作用があるため、腸内環境を整える効果が期待できます。さらにペクチンは水溶性食物繊維でもあるので、便を柔らかくし排便を促す効果があります。
ちなみにリンゴを便秘対策として与える際も、他の食材と同じく少量ずつから試してみることをおすすめします。
チワワの便秘に関する悩み
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
チワワ | 1歳 | シュプレモ |
我が家のチワワは胃腸が弱く、すぐ便秘になったり血便が出たり、お腹が痛いのかお腹がギュルギュル鳴ってフードを食べなくなったりすることが多いので、胃腸が弱い子に合うドッグフードはどんなものがあるのか知りたいです。また、食ムラが激しく同じフードでもがっついて食べる時とまったく見向きもしない時とあります。食べない時に無理に食べさせようとすると吐くし、食べなくても空腹で吐きます。お腹を空かせるために散歩をしたり家の中でもオモチャで遊んだりして体を動かすようにしていても、気分が乗らないと食べません。