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【獣医師監修】グレインフリーのドッグフードが良いと言われる理由

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  • 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
    “たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。

グレインフリーとは?

 
グレインフリーとは「穀物を一切使用していない」という意味です。グレイン(穀物)は、大きく分けて、米や小麦などのイネ科と、大豆などのマメ科、キヌアなどの雑穀の3種類ですが、グレインフリードッグフードというと、一般的に「米や小麦などのイネ科」の穀物が含まれていないものを指します。これは、国によって穀物の定義が異なるためです。

ちなみに似たような言葉で「グルテンフリー」というものがありますが、こちらは「穀物から作られたタンパク質」を一切使用していないという意味です。

穀物の取りすぎが犬の体に悪影響?

①肥満の原因になる

穀物は体内に摂取されると分解され「糖類」となります。糖類は皆さんご存知の通り「肥満の原因」になりやすいと言われている要因のひとつ。実際に糖類を多く摂取すると体内で血糖値が上昇するため、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されるようになります。

しかしこの「インスリン」というホルモンには、実は脂肪をエネルギーとして貯蓄するという作用があることがわかっています。そのため糖類を過剰に摂取し続けていると結果的に太りやすい身体になってしまい、肥満に繋がることもあるそうです。

②アレルギーの原因になる

一部の穀物はアレルギーの原因となりやすい食材です。そもそもアレルギー自体は主に「タンパク質」が原因で起こりやすいと言われていますが、犬の場合は特に小麦やトウモロコシ、大豆といった穀類に含まれているタンパク質に反応しアレルギーを発症することが多いようです。

また、もともと何かしらアレルギーを持っている犬は穀類をはじめとする食物アレルギーも発症しやすいと言われています。
例えば以下のような症状が愛犬にみられるようでしたらアレルギーを疑ってみても良いかもしれません。

  • ・身体をかゆがる
  • ・ドッグフードを食べて吐く、下痢をする
  • ・足の裏や指の間を異様に舐めている
  • ・湿疹や皮膚病の回復が遅い

グレインフリーのドッグフードのメリット

①穀物アレルギーを防ぐ

グレインフリーのドッグフードであれば、アレルギーリスクの高い、小麦、大豆などの穀物は一切配合されていないため穀物アレルギーの発症を未然に防ぐことが可能です。また、穀物アレルギーを発症するリスクがないため、もともとアレルギー体質の犬へも安心して与えることができます。

もちろん穀物アレルギーを持っている犬へも問題なく与えることができますよ。

②消化不良リスクの低減

犬は穀物などの炭水化物を消化しづらい身体の構造となっているそうです。

実際に人間とは違って犬の唾液には炭水化物を消化する働きがある「アミラーゼ」という消化酵素が多く含まれていないため、摂取された炭水化物はほとんど消化されないまま十二指腸まで運ばれます。その結果胃腸へ大きな負担がかかり、消化不良を起こす原因となることもあるそうです。

全ての穀物が消化しにくい訳ではなく、適切な加工や加熱により十分消化されるのですが、薄皮やヒゲなどを含むトウモロコシなど、消化しにくい穀物があるのも事実。
しかしグレインフリーのドッグフードならばそのような原材料が配合されていないため、消化不良リスクを減らすことが期待できます。

グレインフリーのドッグフードのデメリット

 
一般的にグレインフリーのドッグフードは、穀物を使用しているドッグフードと比べて価格が高めに設定されています。
と言うのも、穀物は主にかさ増しやつなぎ目的でドッグフードに配合されているため、穀物を使用しないとなればその分値が張る肉類や魚類を多く使用する必要が出てくるからです。

また、最近の研究では、グレインフリーのためにタウリン不足になるという事例の報告がなされるなど、日々検証、研究が進んでいますので注意が必要です。

グレインフリーのドッグフードに関する質問

 

犬種 年齢 ドッグフード
ミニチュアダックスフンド 4歳 カナガン
ネットでよくグレインフリーのドッグフードが良いと言われていますが、メリットは?
私の飼っている犬が、巨大食道症で、良く吐いてしまいます。その為に消化吸収がいいフードを探して、グレインフリーのフードにしていますが、本当にグレインフリーのフードにする必要があるのかどうか知りたいと思います。インターネットで、フードを探している時に、犬は本来穀物が消化しづらいと言うことを目にしましたが、そこまで気にする必要があるのでしょうか。

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