- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
ドッグフードの避けるべき危険な原材料リスト
①ミール(肉類)
お肉メインのドッグフードの原材料欄には、たいてい「チキン」や「ビーフ」といったお肉の種類の名称が記載されているはずです。しかしそのなかでも、「チキンミール」「ビーフミール」と称されている肉類の原材料は避けるべきもののひとつ。
そもそも「ミール」とは、さまざまな部位を混ぜて粉末状にするという「レンダリング」と呼ばれる工程を経て作られた「肉骨粉」と呼ばれるもののことで、その名の通りお肉だけでなく骨も含まれていることがありますし、そのほか羽根や内臓、毛、糞尿などが混ざっていることもあるようです。
実際にコストを抑えるために本来ならば捨てられるはずだったお肉部分以外の部位を寄せ集めて配合していることもあるので、なかには寄生虫に感染していたり病気であったり、腐敗している動物の部位が混ざっていることもあるとか。
もちろん高品質なミールを使用しているドッグフードもありますが、愛犬の健康のためにもそういった食材が配合されているドッグフードはできるだけ避ける方が賢明でしょう。
②畜肉副産物(肉類)
「ミール」のほかにも、「○○パウダー」「○○副産物」といった名称のお肉類が原材料として使用されているドッグフードは避けた方が良いでしょう。こういった表現をぼやかしているお肉類は「畜肉副産物」と呼ばれている危険な原材料で、「チキン」や「ビーフ」といったお肉類を使っているように見えますが実は純粋なお肉部分はほとんど使用されていません。
実際に畜肉副産物には骨や羽根、内臓、毛、糞尿などが混ざっていることもありますし、なかには「4Dミート」と呼ばれる“Dead(死んでしまった)”“Diseased(病気の)”“Dying(死にかけの)”“Disabled(障害がある)”という低品質の動物のお肉を配合していることもあるそうです。
肉類は犬にとって大切な動物性たんぱく質源となる食材でもあるので、できるだけ高品質なものを使用しているドッグフードを選ぶようにしましょう。
③トウモロコシ類(穀物)
現在は雑食動物と考えられていますが、犬はもともと肉食動物なので穀物類の消化は苦手だと考えられています。特にトウモロコシ類は犬にとって消化しづらい食材なうえ、犬にとってはとりわけ重要な栄養素が含まれている食材というわけでもないので、ドッグフードの原材料には適していません
しかしドッグフードの中には、トウモロコシ類を多く配合しているものも少なくはありません。と言いますのも、トウモロコシや「コーングルテンミール」「コーンスターチ」といったトウモロコシの副産物は安価なので、かさ増し目的で配合されることが多いのです。
特に安価なドッグフードにはトウモロコシ類が大量に配合されているケースが多いため注意しましょう。
④動物性脂肪
動物性油脂は犬にとって必要な栄養素ではありますが、原材料欄に「動物性油脂」「獣脂」「家禽脂」といったような記載がされているようなドッグフードは避けた方が良いでしょう。なぜなら、「動物性油脂」「獣脂」のように、油脂の原料となる肉類の種類を明確に示さず、表現をぼやかしているような油脂の場合、お肉の脂肪部分だけでなく骨や内臓などから採取しているケースが多いからです。
また、動物性油脂をドッグフードに配合すると酸化や劣化が起こりやすくなるため、それらを防ぐために酸化防止剤や保存料を大量に使用しているドッグフードも少なくはありません。ドッグフードに使用されている酸化防止剤や保存料の中には、アレルギーを引き起こすほか発がん性が確認されているものもあるので注意が必要です。
⑤大豆類
最近、大豆類を多量に配合しているドッグフードが増えてきているようです。大豆類は私たち人間にとっては「健康に良い」イメージが強いかと思いますが、実は犬に与える際は注意が必要な食材のひとつです。
と言いますのも、大豆製品はもともと摂取すると体内でガスを発生させやすいほか、摂取後に胃で水分を含み膨張すると胃拡張や腸捻転といった最悪命を落とすこともある怖い病気を引き起こす可能性があります。
特にラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバー、セントバーナードのような大型犬や超大型犬はもともと胃拡張や腸捻転を引き起こしやすいと言われているため、極力大豆類が配合されているドッグフードは避けた方が良いでしょう。
⑥小麦類(穀物)
小麦類は犬にとって消化が難しいうえ、食物アレルギーを引き起こしやすい食材でもあるため、ドッグフードには入っていない方が良い原材料のひとつと言えます。
また、「うちの子はアレルギーが無いから大丈夫!」と考える飼い主さんもいるかもしれませんが、今アレルギーが無い子でもアレルゲンとなり得る食材を摂取し続けることで後々アレルギーを発症する可能性が高くなるので注意しましょう。
最近はお肉類のつなぎとして小麦や小麦粉が配合されているドッグフードも増えてきているようですが、愛犬の健康のためにも「グレインフリー(穀物不使用)」のドッグフードを選んでみてはいかがでしょうか。グレインフリーのドッグフードなら穀物アレルギーの子にも与えることができますし、消化にも良いほか毛艶の改善も期待できますよ。
ドッグフードの危険な成分に関する質問
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
ミニチュアダックスフンド | 6ヶ月 | アイムス |
ドッグフードに含まれている原材料で避けたほうがいいものはありますか?
最近ミニチュアダックスフンドを飼い始めました。食欲旺盛な子で、ドッグフードを与えてもあっという間に食べてしまうので今まで気にしていなかったのですが、最近インターネットで粗悪なドッグフードは危険だという記事を見ました。
具体的にはどんなドッグフードが危険なのでしょうか?危険とまでは行かなくても、例えばドッグフードに使われている原材料で避けた方が良いものがあったら教えてください。
犬を飼うこと自体初めてなのでどんなドッグフードが良くてどんなドッグフードが悪いのかよくわからないので・・・。理由も教えてもらえると助かります。よろしくお願いします。