- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
毛並みが悪くなってしまう原因
①ホルモンの分泌がうまくいっていない
そもそも犬の毛の生え代わりには「テストステロン」「エストロゲン」「サイロキシン」というホルモンが関係していると考えられています。
・テストステロン
毛根を強化し、毛の成長を促す作用がある男性ホルモン
・エストロゲン
コラーゲン生成を促し、毛のハリやツヤ、コシを与える作用がある女性ホルモン
・サイロキシン
精神・身体の成長や発達を促す作用がある甲状腺ホルモン
これらのホルモン分泌が悪くなると毛並に悪影響を与えることが分かっています。特にサイロキシンの分泌が低下すると毛艶が悪くなるほか毛が細くなる可能性があるようです。
②タンパク質不足
そもそも犬の皮膚や被毛は主にタンパク質と脂質から形成されています。このうちタンパク質は犬の体内に摂取されると、まず血液や筋肉といった生命維持に関わる重要な部位で消費され、最後に被毛に供給されていきます。
そのためタンパク質が体内で不足すると補修や状態改善に必要な量のタンパク質が被毛にまで回ってこなくなり、毛のパサつきや毛艶の衰えを引き起こすことがあるそうです。
③ビタミン不足
ビタミン不足が原因で毛並が悪くなることもあります。なぜなら、ビタミンの中には犬の皮膚や被毛に深く関わっている成分もいくつかあるからです。
例えばビタミンAやビタミンEは犬の皮膚を健康にし、毛並を良くする作用があります。さらにビタミンB群の1種であるビオチンには、体内でタンパク質の働きを助ける作用があると考えられています。
④消化不良
胃腸の調子が悪く消化不良を起こすと肌が荒れやすくなるという人も多いのではないでしょうか?犬の場合も消化不良が原因で代謝機能が低下し、皮膚や被毛に悪影響を与えることがあります。
例えば犬は小麦やトウモロコシといった穀類の消化が苦手なので、多量に摂取すると消化不良を起こすことが多いそうです。また、小麦やトウモロコシだけでなく、小麦粉やコーングルテンミールといった副産物が配合されたドッグフードでも犬は消化不良を起こしやすいと言われています。
毛並みが悪い犬にはこんなドッグフードが最適!
①良質な動物性タンパク質を含んだフード
毛並が悪い子にまずおすすめしたいのが良質な動物性タンパク質を豊富に含んだドッグフードです。先ほども紹介したように、タンパク質は皮膚や被毛の健康維持に欠かせない成分でもあるので、十分な量を摂取することで毛並改善が期待できます。
また動物性タンパク質の品質も重要なチェックポイントです。例えば「ヒューマングレード」と称されているような高品質なお肉を使用しているドッグフードの場合、お肉の副産物を使用しているものと比べて利用できるタンパク質量が多いと言われています。
②無添加フード
香料や保存料、酸化防止剤といった添加物は犬の内臓に負担をかけてしまいます。内臓に負担がかかるとどれだけタンパク質を摂取したとしても被毛や皮膚に行き届かなくなり、毛並を良くするどころか健康的な毛の育成にも悪影響を与える可能性があります。
そのため、毛並が悪い子には無添加のドッグフードを与えることをおすすめします。さらに無農薬の野菜や果物を使用しているドッグフードならなお良いでしょう。
ポメラニアンの毛並みに関する悩み
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
ポメラニアン | 8歳 | アボダーム |
毛並みが自慢のポメラニアンなのに、歳をとるにつれて、毛並みや毛のつやが悪くなってきているように思われます。この悩みはフードで改善できますか?歳をとっても毛並みや毛のつやが良くなるドッグフードがありましたら教えて下さい。