- 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
“たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。
愛犬の食べ物の好き嫌いの原因とは?
①おやつを与えすぎている
普段から愛犬におやつを与えすぎてしまっていませんか?「ドッグフードを食べないから・・・」とおやつを多めに与えてしまう飼い主さんも多いかと思いますが、おやつを与えすぎてしまうと犬はより一層ドッグフードを食べなくなる傾向にあります。
と言いますのも、ドッグフードの代わりにおやつを与えていると犬は「ごはんを食べなかったらおやつがもらえるはず!」と判断してしまいます。基本的に犬はドッグフードよりもジャーキーなどのおやつを好みますし、おやつがもらえるとなればどんどんおねだりするようになってくるでしょう。
②人間の食事の味を覚えてしまう
人間の食事の味を覚えてしまうと犬はドッグフードを食べなくなったり好き嫌いしたりする傾向にあります。そもそも犬は嗅覚が優れているうえ、味の濃い食べ物を好むため、犬用のドッグフードよりも人間用の食事の方がおいしく感じるようです。
人間用の食事は犬にとっては高カロリーで塩分過多、糖分過多なので、基本的には与えてはいけないことをほとんどの飼い主さんは知っているはずです。しかし自分たちが食事をしている時に犬が可愛くねだってくる姿を見ると、ついつい与えてしまう飼い主さんも少なくはないようです。
その結果、犬は賢いため「自分のごはんを食べなかったら飼い主さんのおいしいごはんがもらえる」と判断してしまい、ドッグフードを食べなくなってしまいます。
愛犬の食べ物の好き嫌い対策
- ①おやつを与える量を減らしてみる
- ②人間の食べ物は与えない
- ③食べないからといってすぐにドッグフードの種類を変えない
①おやつを与える量を減らしてみる
「愛犬におやつを与えすぎているな」と自覚している人は特に、おやつを与える回数や量を減らしてみましょう。おやつは犬の主食ではないため、与えすぎてしまうとドッグフードを食べなくなるだけでなく、栄養バランスが偏り体調不良を引き起こす恐れがあります。
基本的に、あくまでおやつは愛犬が何かを上手にできた時のご褒美としてあげるようにしましょう。その際も多量ではなく少しだけ与えることが大切です。
②人間の食べ物は与えない
いくら犬が可愛くねだってきても人間用の食事は犬に与えないように徹底しましょう。「自分たちが食べているものだから犬にも問題ないだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
先ほど説明したように人間用の食事は身体の小さな犬にとっては高カロリーなうえ塩分過多、糖分過多となります。さらに私たちが当たり前のように食べている食材の中には、犬が摂取すると最悪命を落とすリスクがあるほか、犬がアレルギーを引き起こす恐れがあるものも少なくはありません。
③すぐにドッグフードの種類を変えない
「フードジプシー」という言葉をご存知ですか?フードジプシーとは愛犬により良い食事を与えるために何度もドッグフードの種類を変えてしまい、なかなか1つに決められずにいる飼い主さんのことを言います。
ドッグフードを決められずに右往左往している飼い主さんも大変な思いをしているかもしれませんが、この場合一番迷惑を被っているのは愛犬の方です。愛犬にとってドッグフードは大切な主食なので、ころころと味や種類が変わってしまうと困惑してしまい、食事に関して不信感を抱くようになるため食が進まなくなります。
そのため、基本的にはドッグフードの種類はすぐには変えないようにしましょう。とりあえずは犬の食いつきが悪くても、体調に変化が無ければ慣れてもらうために与え続けてみてください。
チワワの偏食に関する悩み
犬種 | 年齢 | ドッグフード |
チワワ | 3歳 | サイエンスダイエット |
生まれてからずっとロイヤルカナンをあげてきましたが、先日、試供品でもらったサイエンスダイエットを混ぜてあげてみました。上手に選び分けロイヤルカナンは口から出してお皿の外に排除、サイエンスダイエットのフードばかりを食べます。味がおいしくないのかと思い、おいしくて栄養価も高くペットのことを考えて作ったと高評価のカナガンを試してみました。しかし、切り替えがうまくいかず、少しの量でも下痢が続き、結局断念。現在は、ロイヤルカナンに戻って、以前と同じように食べたり食べなかったり。ペットの幸せのことを考えると、おいしいフードで幸せを感じてほしいと思います。このまま小さなころから食べて、体に慣れているフードのままでいいのでしょうか。それとも、他を試してみるべきなのでしょうか。(44歳・みみりんさん)