ドッグフードの選び方

グレインフリーのドッグフードの選び方

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  • 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
    “たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。

グレインフリードッグフードとは

グレインフリードッグフードとは、グレイン(穀物)を使用していないドッグフードのことです。グレイン(穀物)は、大きく分けて、米や小麦などのイネ科と、大豆などのマメ科、キヌアなどの雑穀の3種類ですが、グレインフリードッグフードというと、一般的に「米や小麦などのイネ科」の穀物が含まれていないものを指します。これは、国によって穀物の定義が異なるためです。

グレインフリーが注目されているけど・・・

最近では、穀物は必要最低限という考え方が多くの愛犬家の間で常識となっていて、穀物を使用していないグレインフリーのドッグフードに注目が集まっています。

ただし、ドッグフードにおける穀物の使用に関しては日々研究、検証されていて、「グレインフリーだから良い」とは言えません。むしろ良質な適量の穀物は必要であるという研究結果も発表されています。

「グレインフリーだから良い」の誤解

そもそもグレインフリーフードが良いとされる理由の代表的なものとして、「穀物はアレルギーの原因となる」とか「犬はもともと肉食で本来穀物の消化が苦手である」というものがありますが、これには一部誤解や正しくない知識が含まれています。

穀物でアレルギーの原因となるものは小麦などに多く含まれている「グルテン」というタンパク質ですので、グルテンを多く含む穀物は避けたほうが無難だと言えます。グルテンは胚乳の部分に含まれているので、皮や胚芽などを含む全粒小麦であれば、白い小麦よりもグルテンの含有量が少なくなります。大麦やライ麦、オーツ麦については、厳密にいうとグルテンと同類の成分を含んでいるに過ぎず、グルテンを生成していないという見方もあります。

また、穀物の消化が苦手というのも、熱を加えるなど適切な加工がされていれば問題なく消化されます。
このように必ずしもグレイン(穀物)が全て悪い訳ではありません。

グレインフリーフードを選ぶ時のポイント

これまで、穀物が全て悪いものではなく、必ずしもグレインフリーだから良いという訳ではないということをお話ししました。
ただし、穀物アレルギーがあるのも事実です。

アレルギーの原因となるグルテンを多く含む「小麦」、かさ増し材として利用されたりヒゲや皮が消化しづらい「とうもろこし」、消化不良やアレルギーの原因となるトリプシン・インヒビターを多く含む「大豆」については極力避けた方が無難だと思います。

他の穀物に関してはそこまで神経質になる必要はありませんが、ドッグフードに含まれている量はチェックしておきましょう。

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