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【獣医師監修】皮膚が弱い犬にはどんなドッグフードを与えたら良いの?

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  • 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子(獣医師)京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
    “たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。

皮膚が炎症を起こしてしまう原因

①ノミ・ダニ

室内・室外に関わらず、ノミやダニは至る所に生息しています。ノミもダニも非常に小さな虫ではありますが、体に寄生されると強いかゆみを感じるため、犬が引っかいたり噛んだりし皮膚炎を引き起こすことがあります。

また、ノミやダニによる健康被害は皮膚炎だけではありません。例えば犬がノミに含まれる物質によってアレルギーを発症し、脱毛や発疹を起こすこともありますし、大量のノミが体に寄生すると吸血量も増えるため、貧血状態に陥いる事態にもなりかねません。

また、ダニの中でも「マダニ」が犬に寄生すると「バベジア」という寄生虫を媒介し、「バベジア症候群」という生命を脅かすような怖い病気を発症する危険性もあります。

②食物アレルギー

犬が季節に関係なく体をかゆがっていたり、目や口の周り、背中などに炎症が見られたりするようなら、食物アレルギーを発症しているのかもしれません。犬は食物アレルギーを発症すると、皮膚炎のほか下痢やおう吐などの症状を起こすことがあります。

食物アレルギーが原因で皮膚炎を起こしている場合、アレルゲンとなっている食材を与えないようにすれば症状の改善が期待できます。また、アレルゲンは動物病院で血液検査をすれば特定できるので、まずは獣医師に相談してみると良いでしょう。

③ハウスダスト

ハウスダストや花粉、カビなどの物質が原因でアレルギーを発症すると、顔やお腹、手足に強いかゆみが起こり、皮膚炎となることもあります。いわゆるアトピー性皮膚炎というものです。

アトピー性皮膚炎の場合、もともと環境性のアレルゲンに反応しやすいという体質が原因となっているため、完治させることは難しいと言われています。しかし薬やサプリメント、漢方を服用したり、薬用シャンプーを使ってこまめにシャンプーしたりすることで症状を緩和させることは可能です。

皮膚が弱い子にはこんなドッグフードが最適!

①無添加フード

市販のドッグフードの中には危険な添加物が配合されているものも少なくはありません。例えばエトキシキンやBHA(ブチルヒドロキシアニソール)はペットフードの保存料として使用されることが多い合成添加物ですが、それぞれ発がん性が確認されているほか同じく保存料として配合されることが多いBHT(ブチルヒドロキシトルエン)も代謝ストレスや胎児異常を引き起こす恐れがあるとして問題視されています。

また、上記に挙げた健康被害以外にも、こういった添加物が配合されたドッグフードが原因でアレルギー性皮膚炎を引き起こすこともあるので、皮膚が弱い子には特に無添加のドッグフードを与えることをおすすめします。

②副産物を使用していないフード

アレルギーを引き起こす原因である「アレルゲン」は個々によって異なりますが、基本的には食物アレルギーの場合、何らかの「タンパク質」が主な原因となることが分かっています。したがって、アレルギー発生のリスクを抑えるためにも皮膚が弱い子には良質で消化性に優れているタンパク質が配合されたドッグフードを与えるようにしましょう。

反対に、例えば「○○ミール」「○○粉」と記載されているお肉や穀物の副産物は低品質で消化にも良くないことが多いため、これらが配合されているドッグフードは皮膚が弱い子へはおすすめできません。

③良質な動物性タンパク質を含むフード

もともと肉食動物である犬にとって、お肉やお魚といった動物性タンパク質は大切な栄養源であるほか消化にも良いと考えられています。また、動物性タンパク質は犬の被毛や皮膚を形成するために欠かせない栄養素のひとつでもあるため、皮膚が弱い子には特に良質な動物性タンパク質配合のドッグフードがおすすめです。

しかし動物性タンパク質の中でも牛肉や豚肉、鶏肉は食物アレルギーの原因となることがあります。もし食物アレルギーが疑われるようでしたら、特定のアレルゲンを避けた食事にきちんと切り替えることが大切です。

ミニチュアダックスフンドの皮膚炎に関する悩み

 

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ミニチュアダックスフンド 9歳 サイエンスダイエット
「皮膚が弱いのは食生活で改善できますか?]

小さいころから元々皮膚が弱かったですが、歳を重ねるにつれてその状況がひどくなり、寝ているとき以外はずっと体をかいています。その影響で部分部分で毛のない場所ができてしまっています。薬を飲めば一時的にはよくなりますが、時間がたつと再発してしまいます。また薬にずっと頼り続けるのは、予算的にも厳しいです。医療用のシャンプーは使用していますが、あまり改善されないので、原因は別にあるのではないかと考えます。年齢的に昔ほど食欲旺盛というわけでもなくなってきたので、年齢に合った、病状が回復できるドッグフードをすすめてほしいです。

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