【獣医師監修】食糞の原因とその対策は？

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• 【この記事を書いた人】ふくふく動物病院 院長平松育子（獣医師）京都生まれ。山口大学農学部獣医学科卒業。
  “たくさんの笑顔のために”をモットーにあなたの大切な家族の健康を守ります。

獣医師の回答

 
犬が食糞する理由はさまざまです。例えばドッグフードの種類や量が原因となったり、本能的に食糞にはしったりすることもあるので、必ずしも悪い病気のサインであるとは言い切れません。

しかし糞を食べるという行為は、衛生上良いものではないのでやめさせた方が良いと思います。そのためには犬が食糞している原因を特定して、対策を練りましょう。

考えられる食糞の原因

①本能的な行動

母犬や子犬の食糞は本能的な行動であるケースが多いようです。

例えば子犬の場合は外界への好奇心が強いため、興味本位で糞を口にしてしまうことはよくあります。また母犬の場合、排泄物の匂いで外敵が巣に近づかないように子犬の糞を食べてしまうという本能があるほか、巣をキレイに保つためにも食糞することがあるそうです。

こういった本能に根付いた食糞行動は、基本的に時間が経てば自然と治るものなので心配ないでしょう。

②栄養不足

消化器官にトラブルが生じていると、消化不良を起こし食事から十分な栄養素を摂取することが難しくなります。その結果栄養不足を起こし、足りなかった分の栄養素を補おうとして食糞することもあるそうです。

また、普段からエサの量が少ないと、少しでもお腹を満たそうとして糞を食べてしまうこともあります。

③食事の取りすぎ

食事の量が多いと、摂取した分を十分に消化することができずに、一部未消化のまま糞として排出されてしまいます。

このような糞は通常のものと比べておいしそうな匂いを出すため、犬が食べてしまうこともあるそうです。

④ビタミン不足

食事の中に含まれるビタミンやミネラルが不足すると、もう一度体内に吸収するために食糞してしまうこともあります。

また、自分の糞ではなく他の犬や動物の糞を食べてしまう場合は、ビタミンやミネラルではなく何らかの消化酵素を補おうとしている可能性もあるそうです。

⑤飼い主の気を引こうとしている

愛犬が食糞するのを見て怒ったり騒いだりしてしまったことはありませんか？犬は飼い主さんに怒られたり注意されたりすると自分に関心が向いていると判断し、わざと怒られるような行為をしてしまうようになることが多いそうです。

食糞の場合も同様に、かまってもらいたいがためにわざと糞を食べて関心を引こうとしてしまうことがあります。

⑥ストレス解消

犬の場合、散歩の回数が少なかったり飼い主さんが一緒に遊んでくれなかったりするとストレスを感じることが多いそうです。そして、そういったストレスを解消するために食糞することもあります。

人間でいうところの「やけ食い」のようなものですね。

⑦認知症

犬は高齢期に突入すると、人間で言うところの「認知症」と似たような症状を起こすことがあります。その症状のひとつとして、自分が何を食べているか判断できずに食糞してしまうこともあるそうです。

食糞を治すための対策

①ドッグフードの量を調節してみる

先ほど紹介したように、ドッグフードの量が少なすぎても多すぎても食糞を引き起こす可能性はあります。そのため、今一度ワンちゃんの体重や栄養状態を確認したうえで、ドッグフードの量を調節してみてください。

肥満や何らかの病気を患っていない限りは、基本的にドッグフードに記載されている量の食事を1日2回与えるようにしましょう。

②食糞をしても無視する

ワンちゃんが「食糞すると飼い主がかまってくれる」と認識している場合、徹底的に対処していく必要があります。基本的には、食糞していても興奮して怒ったり騒いだりせずに徹底的に無視するようにしましょう。

③ビタミンを含むドッグフードを選ぶ

ビタミン不足で食糞してしまっている場合は、ビタミンを適量含んでいるドッグフードに切り替えてみてください。もしくは、犬用のビタミンのサプリメントを与えて不足分を補う方法もおすすめです。

もし手作り食を与えている場合は、ビタミンを多く含む食材を入れてアレンジしてみても良いと思います。

④ストレスを減らしてあげる

愛犬のストレスに覚えがあるのなら、適切な方法でストレスを発散させてあげましょう。

例えばワンちゃんが運動不足のようなら、定期的に少し長めのお散歩に連れて行ってあげてください。また、愛犬と一緒にいる時間を長くとったり一緒に遊ぶ量を増やしたりすると、寂しかった気持ちが緩和され愛犬のストレス解消につながることもあります。

⑤ウンチをしたらすぐに片付ける

愛犬が排便したら、すぐに糞を片付けてしまいましょう。食糞の直接的な原因は「糞」なので、すぐに片付けることができれば摂取しようもないですよね。

また、認知症のワンちゃんの場合は特に「糞は食べてはいけないもの」と再度しつけるのも難しいため、食べてしまわないように除去してあげることが一番の解決策になると思います。

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