獣医師インタビュー

ドックフードに関する悩みを獣医さんにインタビュー

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本日は山口県ふくふく動物病院の院長平松先生にドッグフードについてお話を伺いました。事前にこちらで用意した「ドッグフードに関する悩み」について実際のところどうなのか?インターネット上の情報でなく、動物病院の専門家の生の声をお聞きします。

 

田中
「まずは平松先生のプロフィールを簡単に教えてください。

平松先生
「実は私最初、競馬界を目指してたんです。でも、足の骨を折って殺処分になることが理解できず、大学卒業後、動物病院に就職し10年間勤務しました。その後、ふくふく動物病院を開業し今年で11年目です」

 

ズバリおすすめのドッグフードは?

田中
「競馬界を目指していたっていうのは意外ですね。今回は、先生にドッグフードについてお伺いしたいのですが、細かい質問に入る前にズバリ獣医さんから見ておすすめのドッグフードってあるのでしょうか?」

平松先生
「保存料の入っていないものがおすすめですね。アレルギーを気にされる方はグレインフリーのものも最近は色々とありますので、そちらもおすすです。」

田中
「与えても食べないということも多いと聞きますが」

平松先生
「確かにフードが合う合わないはありますね。ただ、犬は猫ほど偏食がないので大体は食べると思いますよ」

田中
「先生がおすすめのドッグフードは割と高めのものが多いようですが、安いドッグフードとワンちゃんに合ったドッグフードを与え続けた場合、病気になりやすいなどの影響は出てくるのでしょうか?」

平松先生
「はい、差が出てきます。これは食べさせてみればわかるのですが、毛艶や皮膚のコンディションがかなり変わってきます。1番はこれらのドッグフードを幼少期から与えていると病気になりにくい点です。なんせ犬の治療費はめちゃめちゃ高い!皮膚が痒いで診察、検査、注射で7000円。花粉症と同じで継続的に費用がかかってしまいます」

田中
「なるほど。将来のことを考えれば高くても良いドッグフードをあげたほうが良いということですね」

平松先生
「そうですね、本当に病気になってからだと遅いです。特にアトピーだなと思ったらペットの保険に入っておいた方が良い。人間と同じで若ければ若い方が安いので。小さいときの感じでこの子は体が弱くて苦労するなと思ったら早めに入っておいた方が良いと思います」

 

このドッグフードの与え方はあり?なし?

田中
「次に、諸説ある犬の食べ物の与え方について質問したいと思います。1つ目が自分の家のご飯を犬にあげるのはどうなのかという質問です」

平松先生
「自分の家のご飯をあげるのはなしですね。だって人間と同じで美味しいものしか食べなくなりますよ。ふりかけとかかけるとその部分だけ食べますから(笑)」

田中
「それはそうですよね。2つ目なんですがドッグフードを混ぜるのはどうなのかという質問です」

平松先生
「これはありですね。わんちゃんのお腹に合ったものであれば問題ありません」

田中
「3つ目はドッグフードをコロコロ変えるのはどうでしょうか?という質問です」

平松先生
「犬の場合そんなに大きな影響はないと思いますが、数を決めたほうが良いですね。例えば、食いつきの良いものをローテーションにするとか」

平松先生
「あと、トイプードルを始めとする小型犬は注意が必要です!ドッグフードをあげたら食べなかったがおやつをあげたら食べてくれるのが嬉しくてそればっかりになる。病気になります」

田中
「でもその気持ちわかります(笑)ところで、犬種によってドッグフードは変えたほうが良いのでしょうか?本当にその犬種に合わせて作られているのでしょうか?」

平松先生
「犬種別というよりは成分別ですね。個人的にはあんまり分ける必要はないかと。皮膚病になりやすい犬種であればちょっと成分が変わるくらいなので。ただ、ゴールデンレトリバーだったら痩せ気味で育てるのがコツですから小さい時は専用ドッグフードを使ってみても良いかもしれませんね」

 

ダイエットや病気の悩み

田中
「ダイエットの悩みは多く寄せられていたのですが、肥満度が高いとどう言った悪影響が出るのでしょうか?また、ダイエット用のドッグフードで重視すべき成分は何ですか?ドッグフード以外で肥満を解消する方法(飼い方や習慣づけ)を教えてください。」

平松先生
「肥満の弊害は関節を着実に痛めるということですね。他にも糖尿病。椎間板ヘルニア。皮膚炎の子も多い。成分としてはタンパク質はあっていいのですが、脂肪を減らすことのほうが大事です。決まった量を食べて、運動する。運動すると痩せているけど良い筋肉がつく。基本的には人間とおなじですね」

田中
「あと多く寄せられていた質問が嘔吐が激しい、食べているドッグフードがほとんど便で排出されてしまっているという不安があるそうなのですが、その場合もきちんと栄養は吸収されているのでしょうか?」

平松先生
「食べている量とベンの量を見る必要がありますね。フードが悪いとベンの量が多くなります。ですから、ベンの回数や量が多いのは危険ですね。ちなみにお肉ばっかり食べている子はうんちが臭い。野菜を食べている子はそうでもないです」

田中
「次は口です。ドッグフードが口にへばりつくことによる歯石、口臭の対策は歯磨き以外にないのでしょうか?」

平松先生
「歯石専用のドッグフードがありますよ。粒が硬いとか。ただ、飲み込むように食べる子には意味がないですよね。犬はびっくりするくらい歯石がつきやすいんです。ちなみに3日で歯垢が歯石になる。2日に1回はガーゼでいいので拭いてあげてください」

田中
「先生の病院に来るわんちゃんのよくある病気について教えてください。それらはドッグフード(食事)で改善できますか?」

平松先生
「皮膚病、特に痒い系が多いですね。食べ物のアレルギーの場合はドッグフードの変更で良いのですがこれはレアケースです。本当は根本的に治療しないと難しい。原因は細菌感染、水虫のケースが多いです」

 

最後に読者の方にドッグフードの選び方のアドバイスをお願いします!

平松先生
「基本的に犬はなんでも食べます。値段とのバランス、安すぎない、高すぎない中でその子にあったご飯を見つけることが大事だと思います」

 

ふくふく動物病院
http://www.fukufukuvet.com/
所在地
〒754-1277
山口県山口市阿知須1079−1
TEL  0836-65-1468
営業時間 9:00~18:00
定休日  水曜日・日曜日・祝祭日

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